手術室の看護師といえば
薄暗いオペ室で手術の時に使用する器械を先生に渡す人
というイメージが強いのではないでしょうか?
手術室看護師には主に
・器械出し看護師(手洗い看護師)
・外回り看護師
の2つに分けられます。
それぞれの特徴と、私が思うやりがいについてお伝えしたいと思います。
手術室で10年働いた私の経験が、新人オペナースのお役に立てれば光栄です。
器械出し看護師
ドラマで医師と同じ格好でやり取りをしている看護師がいますよね。
「メス!」
「はい」←これの人です(笑)
一見カッコいいのですが、なかなか覚えることが多くて大変な役割をしています。
器械出し看護師(手洗い看護師とは)
器械出し看護師は、主に手術に使用する器材を医師に渡す役割を担っています。
1つ1つの手術に使用する器材は同じものもあれば、異なるものも使用するので、この器械を覚えることが最初の壁になります。
そして覚えた器材を手術の進行に合わせて準備・予測して、医師へ渡していきます。
器械出し看護師をする上での最低限大切なことは
・手術の手順を覚えること
・器械の名前を覚えること
・手術部位周辺の解剖生理を覚えること
この3点が重要になります。
初めのうちは覚えることがとてつもなく多いので、とにかく頑張りましょう。
器械出し看護師のやりがい
器械出し看護師のやりがいといえば、やはり
的確に器械を予測し、タイムロスなく手術の進行をサポートできた時の達成感
に限ると思います。
手術部位や医師の特徴や癖を覚えて、スムーズな手術の進行ができたときの嬉しさを味わえるようになるまでは頑張ってほしいです。
外回り看護師
最近ではドラマなどでも見かけるようになった影の薄い存在ですが、外回り看護師なくして手術の進行はあり得ません。
清潔操作以外の部分を一手に引き受ける「縁の下の力持ち」的存在です。
外回り看護師とは
外回り看護師とは、患者が手術室で安心して過ごせるような情報提供をしたり、精神的サポートを行います。
また、手術中に必要になる器材を用意したり、循環動態のチェック、出血量のカウントなどを行い、患者の管理に必要な情報を収集します。
ドラマなどでは器械出し看護師が花形のように思われがちですが、外回り看護師のほうが技術としては習得しなければならないものがたくさんあります。
外回り看護師をする上で最低限必要なことは
・手術の手順を覚えること
・手術に必要な器材を覚えること
・患者の前では自信がなくても、堂々としていること
だと思います。
困っている看護師に誘導される患者はどう思うでしょうか?
あなたにとっては、これからたくさんある手術の中の1件かもしれませんが
患者にとっては、人生の中で何度とある手術ではありません。
多くの患者は不安の中にいることを考えてあげてください。
知識も技術も不足している新人にとっては難しいことかもしれませんが、患者ファーストでいることを忘れないでください。
外回り看護師のやりがい
外回り看護師は手術の前後、とても慌ただしい時間を過ごします。
患者入室から手術開始までに準備することが山ほどあり、手術が終わってからもバタバタした時間が過ぎていきます。
その短時間の中で、患者に寄り添い、不安を少しでも軽減させることが大切です。
患者との短い時間の中で患者の特徴をつかみ、必要な情報を集め、安心して患者が手術を終えることができれば
外回り看護師としての達成感を味わえると思います。
まとめ
手術室看護師は看護師の中でも特殊な分野です。
患者とかかわる時間が圧倒的に少なく、看護学校で学んだことは何の役にも立たないのです。(言い過ぎかもしれませんが…。)
この特殊な環境はなかなか経験できる場所ではありません。
最初のうちは本当に辛いことが多いかもしれませんが、ぜひ踏ん張ってみてください。
手術室では、短時間でコミュニケーションを向上させる技術が身に付き、全体をみて先を読む力を身に着けることが出来ます。
限られた時間の中で、与えられた多くの課題を優先順位をつけながら行動する能力は、手術室でなくても役立つ技術です。
そして、手術室で学ぶ解剖生理や循環動態の変化は、病棟へ行っても役立つ知識ばかりです。
新人の皆様には、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
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